学生から社会人になり様々な経験をして過ごした数年間。

私も気づけば三十路になり、社会的立場からすれば中堅戦士

がむしゃらにやってきて、やっとたどり着いたこの場所は果たして成功と言っていいのだろうか?

偉そうに部下に指導していても、自分の道がどこに続いているのかわからない。

手さぐりで進んでいる三十路の私にはコンパスとなる大事な言葉がある。

 

「もっと偉そうにしていいんだぜ?」

 

何を言いたいのかわからなかった、あの言葉。

三十路の先輩は理解力のない私にとてもわかりやすく説明してくれた。

理解するのにかなりの時間が必要だった。

そんな長い時間を要するダメな私に三十路の先輩は偉そうな態度も取らず丁寧に教えてくれた。

自身が三十路となった今。あの言葉は熟成され様々な解釈を生んでいる。

 

この物語は新人が救われたちょっと変わったアドバイスの物語。

 

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この物語は、フィクションです。登場する人物、団体等一切のリアルと関係ありません。

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  • 俺の名前はモン介

 

「あっはっはっはっは」

廊下に響く偉そうな高笑い。この声は50m先からでも聞こえるくらい良く通る。

俺の名は「モン介」。良く笑う活発な男である。

陽気で人懐っこい、人当たりも良い彼は自信に満ち溢れていた。

 

身長は170㎝ちょっと、筋肉の上に多めの脂肪がかぶさっている巷で人気の「ぽっちゃり」くんである。目には希望の光に満ち溢れ、立ち振る舞いもオーラがある。そんな俺を一言で例えるならば「バトルスーツを着たベイマックス」である。

ぽっちゃりな癖に良く動き、スポーツをやらせればそこら辺の男より良くこなす。

気遣いもでき、数学が得意で計算は早く、重たい物なんて軽々持つ力持ちで、美味しそうに食べる食事風景は圧巻である。

唯一欠点をあげるとすれば常人より汗のかく量が多い点、位である。

 

そんな旦那さんにしたいNo.1のモン介。そんな俺にも普通の人と同様にネガティブな部分があった。だが、俺はそれをひた隠しにしていた。

 

なぜ、ひた隠しにしていたか。。。。

それは、俺の今までを説明する必要がある。

 

 

  • 「三十路」という言葉に取りつかれるガキ大将時代

 

俺は小さい時から図体は大きく、小学生の時から中学生と間違えられた。

そんな体を持っていれば行きつく先はガキ大将。最強の児童として君臨していた小学6年間。運動も勉強も良くできた。偉そうにしても誰も文句は言えず自慢放題で過ごした幸せな日々。無知な事をいいことに、思った事やハマった言葉を何も考えず口走っていた。

 

そんな恵まれた小学校時代で忘れられない出来事を起こす。

今思い出しても申し訳ないと思う。人生で最大の大失態な出来事である。。

 

それは、偶然知った「三十路」といったワードを先生たちに言いまくっていたことだ。

「三十路!!三十路!!!ねぇ、先生三十路なんでしょ??こんな言葉知ってるなんてすごいでしょ?ねぇ?三・十・路w三十路パワー」

 

この言葉を聞いた先生たちは様々な反応を返した

ある人は顔を真っ赤してクシャクシャと露骨に嫌な顔をする人

口をへの字にする人

見る見るうちに顔色が悪くなっていく人

クスクスと笑う人

クスクスと笑う人を見たくて何度も言った。

 

三十路って言わないの!!って怒ってくれる先生もいたけど、「なんで?三十路って三十歳ってことでしょ?ダメなの?なんで怒るの??」

っと、心底無邪気に問いかけた結果、三十路の先生がいる空間で「三十路が何故だめか?」を説明できる大人も存在しなかった。

 

今思えば失礼な話である。時は平成になったと言えど、バブルの名残がまだあった日本。古い慣習は残っており、三十路の女性に「三十路なの?」とキラキラした目で聞くことがどういう意味を生み出すのかを知らなかった。

 

それから時は流れ、平成27になった今。三十路の魅力が見出されている。

女性の晩婚化が進み、「男も女も三十路から」って言葉が出てくるほどである。

今の時代なら「三十路、三十路」と連呼しても怒られなかったかもしれない。。。。

いや、、、、、怒られるだろうな。。。

 

 

  • 上手くいかなくなった中学時代

 


 そんな天下無双の時代も早々に幕を下ろすこととなる敵が現れる。

それは異国の地から来た敵。その名も「英語」である。

 

モン介と英語の愛称は最悪であった。いくら音読しても書き取りしても覚えられない。

This is a pen

My name is Monsuke

 

書けるのはこれくらい、、

意味が分からない。主語、動詞、形容詞???はい??

動詞は変化するの??

なんで??

 

今まで勉強という勉強をしてこなくても理解できたモン介には信じられない出来事であった。まったく頭に入ってこない。どうすればいいのかもわからなかった。

 

こういう話は、実は珍しい話ではない。

進学校に進学していった子供たちで勉学についていけなくなる瞬間は進学か進級のタイミングであるのは多くの人が知っていることであろう。それまで自分の感覚の取り組みで上手くいっていた人ほど、何をどうしていいか分からなくなる。

プライドだけが肥大した結果、偉そうにしているもののテストの結果は最悪になり自信がどんどん喪失されている負のスパイラルである。

 

そんなモン介を救ったのが数学、美術と技術の授業である。

この三科目だけは誰よりもできた。論理的に取り組めたからではなく、この三科目だけは感覚で習得することが可能だったのだ。

 

その中でも数学が彼を救うこととなる。小学校から中学校に進学する際に、多くの児童が挫折するのは英語と数学である。

その理由は中学を通過した大人たちならわかるだろうが、ここは偉そうに講釈を垂れることとしよう。

この二教科が鬼門なのは「英語は初めての科目であり、数学に関しては「変数」という概念が登場する」からである。

 

そんな児童がつまずく二教科の内、一つを優秀にこなすことが出来たモン介はすがる様に数学にのめり込んだ。のめり込んだ分、数学をどんどん理解できた。どうやら数学という学問自体しょうにあっているようだった。

 

何より、一つの問題に一つという点が大好きだった。

自分が間違っているか、間違っていないか瞬時にわかる。

 

そう、瞬時に正解だとわかれば、すぐ様自慢することが出来るからだ。

小学校時代から自慢する事が習慣になっているモン介には他人に自分の凄さを誇示するのが当たり前になっていた。

誰よりも早く問題を解き、正解を満足そうに眺める。そして偉そうに周囲を見渡しては自分が一番だとご満悦になる。キングof 天狗である。

 

そんな偉そうな態度にあるものは休憩時間に教えを乞うてきた。

どうやったら、そうなるのか?どうやったら、答えが出るのか?

 

偉そうにモン介は答える。

「ここをこうすればいいのさ」

分からないものは再び質問する。

「いや、だから、なんでこうするの?」

 

そんな会話が続いていく。

その平行線は交わることなく、苛立ちだけがつのっていく。

「なぜわからない??だから、こうすればいいだよ。なんでわからない?え?なんで?」

 

自分なりの言葉で習得したものは相手の言葉で説明することは難しい。

相手に理解してもらうためには、相手が使ってる日本語を理解しなければならない。

国語力が全くないこの時のモン介には到底理解できなかった。

 

こいつ、質問してきたくせに理解しようとしない。

そんな思考が脳を駆け巡る。こいつもしかして、邪魔しに来ただけなのか??

何故理解しない。疑問は疑問を呼び、自分の理屈を言葉にできないことを棚に上げ、相手の非を責める結論しか導き出せない。

その思考は言葉の副声音となって相手に伝わっていることなど知る由もなかった。

 

 

こんなやり取りで相手の理性を破壊するのには時間がかからなかった。

「偉そうに出来た出来たって言ってるくせに、説明の「せ」の字もだせねぇのか?てめぇ答え丸写ししただけじゃねぇのか??あぁ??」

 

「んだと、こら!!解けたから解けたんじゃぼけ!!偉そうとかぬかしとる前に、お前の努力がたりんのとちゃうんか?おぉ??」

 

その言葉に質問者の瞳孔が小さくなるを見た瞬間、左側から大きな衝撃を受けモン介は吹っ飛んだ。何が起きたのかわからず、とりあえず上半身を起こすモン介。

 

そこに立っていたのは質問者とは別の男子生徒である。

 

「傍から聞いてても、お前の話は気分がわるいだよ。黙れカス。偉そうにするのは誰にでもできんだよ」

 

相手の見下した目、、それに驚き、困惑する。理解が出来ない。

周りを見渡す、どの人間も見下しような目で見ていた。

 

一瞬で音が消えたのを覚えている。

時が止まったように何も聞こえなかった、

 

そんな静寂を破ったのは心臓の鼓動だった

 

ドクン

 

あまりの大きな音に驚くが、そんなのもつかの間鼓動は早く強くなる

 

ドッドッドッドッドッド

 

 

「あぁぁぁぁああああああああ」

 

気づいたら相手に殴り掛かっていたのだけを覚えている。

 

 

 

 

 

 

結果。惨敗。

 

ぐうの音も出ないほどボコボコにされた。

誰かが先生を呼んできてくれなかったら、病院送りだったんじゃないかと思う。

 

 

偉そうに言い訳すれば、相手は二人だったから負けたのだ。

2VS1人

 

じゃぁ本当に強かったの?弱かったの?気になりますよね???

でも、それは今回は省略する事とします。

 

 

喧嘩に負けて病院に運ばれた次の日。

これだけ滅多うちにされたのだから、先生方はあいつらを成敗してくれるだろう。とたかをくくっていた俺。

 

予想は、無情にも外れることとなる。

 

多くの中学校では喧嘩両成敗という制度が普及している。

先に手をだそうが、後に出そうが「喧嘩をした当事者全員を平等に罰する」というものである。

 

法律では先に手を出した方が暴行罪に問われ、後だしの方は正当防衛が認められればお咎めなしとなる。

 

しかし、残念。

結果、学年主任の鶴の一声で当事者三人全員停学となった。

 

もちろん親も抗議したが、相手二人もそれなりに負傷していたこともあり全員停学というところで落ち着いた。

 

停学になりやることがない俺は近くの公園で毎日時間を潰していた。

そこには夕方になると小さい子供たちが沢山遊びに来る。

土日なんかは朝から沢山の子供たちが集まる場所だ。

 

そこで俺は偉そうに色々な事を子供たちに教え込んで時間を潰していた。

彼らが「こいつ偉そうだな」なんて思っていた感じはなかった。

なにより「偉そう」という概念がない子供たちはどんなに偉そうにしゃべってももの珍しそうに「へぇ」「すごーーーい」と聞いていた。

 

停学が解けても俺の気持ちは解けず孤立する事となる。

勉強もやる気が起きず、部活もやるつもりがなく、毎日家と学校を往復する毎日。

 

ゲーセンに行っても良かったが悪になる勇気もなく公園で時間を潰したビビりちゃん。

行く場所は児童館と公園。。。。

 

不良なんだか、真面目なんだかわからない日々を過ごしていた。

公園でチビ相手に何でも知っているかのような講演会。

児童館で気に食わない他校の奴と大喧嘩

 

偉そうに肩で風を切って歩く日々。

そんな俺の背中は哀愁で一杯だっと思う。

 

 

 

 

 

  • 赤の他人が全力で愛情を注いでくれた高校時代

 

つまらない中学時代は灰色の風とともに去り、頭の悪い俺でも入れそうな底辺の高校を探し、とりあえず進学した。

 

何も変わらず灰色の人生が待っているだろうと思った高校の生活は全然違うものとなった。

 

ここの先生たちは底辺の生徒の扱いを良く知っている変態ばかりだった。

兎に角熱く夢を語りキラキラした目で迫ってくる。

 

偉そうに哲学を語り、理想を説く。ウザったくて気持ち悪くて嫌だった。

ルーキーズに出てくる川藤みたいな奴ばかりだった。

 

嫌で嫌でしょうがなかった。

偉そうに人生を語ってほしくなかった。俺の何がわかる??俺の何を知ってる??

偉そうに夢語ったって俺の見えてる世界は灰色なんだよ。くそ野郎。

 

入る高校を間違ったと思った。

こんな大人には絶対にならないと思った。

 

 

入学して1か月。

学力テストが実施された。やる気のない俺は、もちろんボロボロ

学年の順位は下から数えて両手でおさまる順位にランクインした。

 

そして、残念なことにそれは全校生徒の前に張り出された。

「くそやろう。。。。。」

 

昨今なら、こんなことをしたらプライバシーの侵害だなどとPTAが乗り込んでくるのだが、ここは底辺の高校。残念。親たちが見放した子供たちを守る親などいないのだ。

これは公開処刑だと思った。

さらし者だと思った。何もかも糞だと思った。

 

世界の全てが敵だと思っていた。こんな世界終わってしまえと思っていた。

全てを壊したいと思っていた。

 

 

そんな俺の前に現れたのは白髪のおデブちゃん。

微動だにしないくせに無駄にオーラが出ている彼は、いつの間にか俺がいつもいる体育館裏に現れた。

 

何もしゃべらない。全然動かない。

そんな彼は黒いスーツを着ているが、白いスーツの方が似合いそうだと不思議と思った。

 

 

20分くらいそうしていただろうか、、、、

白髪のオッチャンはしゃべりだした。

「つまらなそうですね」

 

はい?なんだこいつと思ったが言葉にできない。

 

「何がそんなにつまらないんですか?好きなことはありませんか?」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・」

(偉そうにしゃべりだしやがって、誰だよこいつ)

 

「得意なことは何ですか?」

 

 

 

「・・・・・・・」

 

 

 

「きみ、入試の時、数学が一番得点良かったですね。」

 

 

「!?!?!?!?!」

(なんで知ってんだこいつ???)

 

 

 

「長所を伸ばしなさい。長所を。君は勉強で数学を伸ばすのがいいと思う。まずそれからだ。あきらめたら、そこで試合終了ですよ」

 

 

 

スタスタスタスタスタスタスタ

 

 

白髪のおデブさんは、どっかに消えた。。。。。。

後に知るのだが、彼は新しい保健の先生だった。

 

 

なんだか偉そうなオッチャンだったが、「俺の得意」を「俺が教えなくても」知っていたところが嬉しかった。何より、「数学」を褒められたことが嬉しくてしょうがなかったんだと思う。

 

その日から、勉強を再開した。

ブランクはあるが、やはり答えが一つというのは良かった。自分ひとりで取り組んでも正解か不正解すぐわかる。

 

毎日、数式を解いた。

朝から晩まで数式を解いた。

 

 

一つ解けると、快感が全身を走った。

「やった!!やってやった!!なんだ、できんじゃん俺」

 

嬉しかった。達成感を感じるのは久しぶりだった。

灰色の景色が少し青くなった気がした。

 

 

それから上方修正するのは早かった。

数学が解けるようになると白髪先生は「数学は理を解く最強の武器になる。ツールとして他にも生かしなさい」と教えてくれた。

 

この助言のおかげで物理も化学も難無く理解する事が出来た。

さらに驚きだったのは、英語と国語にも生かせるという点だった。

 

「英語と国語を解くための公式を考えてみなさい。」と言われた俺は英語の文法をよくよく見直すことにした。

 

それを、自分ルールで縛りのある数字に置き換えて理解しようとしてみる。

すると、どうだろう、全くわからない文法がほんの少し理解することが出来るようになった。

 

「わかる」という感覚が「自信」という思考に変わり、「不安」という感情を抑え込み「行動」を促す。その「行動」は「経験」を積ませてくれて「わかる」という感覚を再び呼び込んでくる。

 

この正のスパイラルに吸い込まれた俺はあれよあれよという間に学力が向上。1年生の最後の期末試験では総合学年22位まで浮上した。

 

 

嬉しかった。

何度も白髪先生に報告しに行った。今日できるようになったことを黙って聞いてくれる白髪先生。彼は絶対に俺の意見を否定はしなかったし、口をはさむこともなかった。白髪先生は俺の中での唯一の理解者となったことは言うまでもない。

 

白髪先生のアドバイスは的確で俺の中にどんどん吸収されていった。

まるでパンパースが水分を吸うようにグイグイ吸い込んでいく。

 

まるで神様のようだった。偉そうなオッサンと思っていた自分が恥ずかしいくらいだ。

この人は偉そうではなく、凄い人なんだ。自分が実力のない狐顔の天上天下唯我独尊になっていたことに気づかされた。本当に神様だった。

 

そこからは、何もかも順調であった。やはり数学が好きという事もあり数学を使う大学に進学することにした。

 

中学校の成績では絶対に受験する事が出来ない高難度の大学。

自分には、そこを「志望校」と言えるだけで嬉しかった。

 

受験の準備を進めるモン介。

毎日日が暮れるまで学校に残って勉強した。わからない所があれば、すぐに職員室に駆け込んで教えてくれる先生が見つかるまで居座った。

 

何より変態熱血教師しかいないこの高校では生徒の心に火さえつけば万全のサポートを受けられる。この高校を選んでよかったと思った。入学した時とは180度違う心境だった。

 

しかし、中々学力は伸びなくなってきた。どう頑張っても志望校のもし判定はCどまり。何かが足りないと感じていた。能力の限界なんだと頭の中で承服される。苦しかった。そんな姿を見せたくなくて白髪先生の所にはいかないで一人で悩んでいたある日、珍しく白髪先生の方から私のいる教室に来てくれた。

 

「勉強が伸び悩んでいるようだね。どうおもう?」

 

「・・・・・・わからない」

絞る様に出した声には、震えが混じっていた。

 

見捨てられる?

諦めろって言われる?

絶望のフレーズが頭の中を駆け巡る。

ここで試合終了なのか、、、、、俺はなんて無駄な時間を過ごしたんだろう。。。。

 

 

顔をあげれなかった。

目から汗が出てきていた。せっかくの理解者は俺の前から去ってしまう。

呆れられたのだと本気で思ったその瞬間、うつむいている顔面の下に一枚にプリントが滑り込んできた。

 

 

目の汗で良く読めない。

目をぬぐいプリントの文字を読む

 

「が、、、、合宿??」

 

 

プリントには1か月の合宿スケジュールが書かれていた。

意図がつかめないまま、無意識に顔をあげる。

 

大きいしずくが左頬を伝うのを感じ慌てて拭い去る。

 

 

白髪先生は気にせず話し始めた。

「ここから先は断固たる決意が必要だ」

 

先生の説明では、環境を少しでも変えると変化が起きると教えてくれた。

ライバルがいると学力の伸びが上がるというデータがあることを教えてくれた。

そして、現在学力が伸び悩んでいる学生が15名ほどいることを説明してくれた。

 

 

「どうだ?行かないか??」

 

 

正直な話、絶対に行きたかった。すぐ、行きたいと言いたかった。

でも、過去の記憶が脳裏をかすめ声を出すことを体が拒んだ。

 

「・・・・・・」

 

「行かないか?」

 

 

「いけません」

 

 

 

「・・・・・・・・・・・」白髪先生は黙っている。

 

 

10分くらいだろうか、、、、

俺の中では2時間くらいに感じる長い時間が流れた。

口を開いたのは俺だった。

 

 

「中学、、、、、、、で、、、、、、友達と、、、、、上手くいかなかった。。。。。。」

「多分。。    ここでも上手くいかない。。。。。だから、いけない」

 

 

 

「じゃぁ進学を諦めるんですね」

 

「えっ?」

心臓が止まった。いや、正確には止まったと感じたんだ。

拳大の杭が胸に突き刺さる音がした。

 

喉が閉まっていくのを感じる。

喉の奥にリンゴが詰まったように息が出来なくなる。

 

諦める。あの灰色の世界に戻る。。。

息が上手くはけない。。。。。。

唾をのみ込む。。。。

流れていかない

 

 

手を握りしめていた

全身硬直していた。

 

声がでなかった。出せなかった。体中の血の気が引いていき両腕が鉛のように重く感じる。

視界が見る見るうちに歪んでいき、目頭からあふれ出す。

 

ダムが決壊したように眼尻からもこぼれ落ちる滴。

瞬きもできなければ、動くこともできなかった。

 

滴が垂れて口に入った。

とてもしょっぱかったことを覚えている。

 

 

 

俺は終わったんだと絶望を感じている少年の前で白髪の男性は真っ直ぐと強いまなざしで彼を見つめている。一言もしゃべらず、偉そうにふんぞり返るでもなく、悲しそうに前かがみになるでもなく、凛と真っ直ぐ背筋を伸ばして彼を見つめていた。

 

 

とめどなく流れる涙。

次々とこぼれ落ちる滴は半分は頬を伝い顎から床へ

残りの半分は鼻をなぞって口に流れ込んでいた。

 

涙を数滴呑み込むと自然と言葉が出た。

 

 

「僕は・・・・・・終わりですか?」

 

 

 

やっと絞り出したその問いに白髪の彼は静かに答える

「諦めたらそこで終了です。」

 

 

「でも、中学・・」

 

言いかけると白髪の男性は言葉を遮り机に大学ノートが沢山は行った紙袋を乗せた。

「見て欲しい」

 

 

一つを取り出してみる。

どうやら、色々な記録なようだが、、、、

はたして何の記録か???

 

 

 

先生の字がびっしりと書かれているノート。

一体に何を記録しているのかわからない。

 

「なんですか?これ??」

 

「これは君の記録と、君をどの方向に進ませるかを話し合った記録だ」

 

 

はい??話が呑み込めない。

いったい何を言っているのか??

俺の進む方向???

 

俺は自分で勝手に方向を決めてきた。

何を話し合ったのだ??

 

 

「これは君の母親と話し合った記録だ」

 

「君は知らないだろうね。うちの高校は、親が申請すれば親と先生で子供の将来を話し合う機会が設けられる。子供にとって何が一番いいのか。フォローできることは、支えになる方法は。など沢山の事が議論される。君も分かっていると思うがうちの高校は学力が低い。その理由は本人の能力が低いだけでない。環境や運が味方しなかっただけなんだ。実はそれは親が一番わかっていることが多い。でも、親ですら何をしてあげたらいいか分からない。同じ屋根の下に住んでいるにもかかわらずね。

 そこで、私のような人間が相談に乗るんだよ。まぁ君の母親より、君くらいの年ごろの人間とふれあう機会が多いから知識量は多いからね。

 君の母親は熱心に相談しに来たよ。自分たちには何ができるか。腫物のように扱わない方法は?様々な事を質問し、共に考え答えを探して実行していった。僕が行ったことが君は理解しやすかったことはないかい?それは、からくりがあるんだよ。」

 

 

話が呑み込めなかった??

打ち合わせ?ドッキリ??

 

俺はドッキリを仕込まれているんだろうか??

 

 

「君が理解しやすいようにアドバイスできるのは、君の母親が君の事を色々教えてくれていたからなんだ。勘違いしないでくれよ。プライベートをさらけ出したわけではない。君にプラスになる様に我々がどう行動したらいいかという観点から情報提供をしてもらっていただけだ。」

 

 

「君の母親は、君が夜遅くまで学校に残って勉強している姿を何回か見に来ているよ。泣きながら喜んでいたよ。勉強していたことではないよ。君が精力的に勉強しだしてからご飯も良く食べるようになったし、顔色も良くなって目に力が戻ったから喜んでいたんだ。元気になって本当に良かった。と何度も言っていた」

 

 

信じられない。

俺が中学で苦しんでいたあたりから両親とはしゃべった記憶がほとんどなかった。

何もしてくれなかったじゃないか。。。

 

見て見ぬふりしていたんじゃないのか・・・

 

 

「ウソだと思うなら、このノートを全部君に渡すよ。それと両親から手紙も預かっている。好きな時に読むといい。」

 

「合宿の話は二日後に聞かせてくれ。それが期限だ」

 

白髪先生はそういうと部屋から出て行った。

 

 

ちょっとまて、こんな大量な荷物を持って帰れと??

無茶を言うのもいい加減にしてくれよ。

 

 

完全に感情が停止した私は、ずいぶん冷めた思考に支配されていた。

 

 

その日の帰り道の事は良く覚えていない。

何を考えながら自宅に帰ったのだろうか。

 

記憶が戻るのは食卓に座る所である。

 

目の前にはアツアツのカレーライス。

ふと思う。。。そういえば冷たいご飯を食べたことがない。

 

俺の家は俺が小さい時に父が他界しているため母が俺を育ててくれた。

服は安物しか買ってもらったことがないが食に関して苦にしたことはない。

 

中学でこけてから母とまともに話したことはなかったし、仕事で忙しく顔を見ることも少なかった。それでも、毎日手料理が並びいつでもアツアツで食べれるよう工夫されていた。

 

いつも母ご飯を出してくれると家の中でできる内職を始めるので話をしたことはない。

でも、今日は白髪先生に聞いた話をしようと思い切って話しかけてみた。。。

 

 

 

「あのさ、、・・・・ちょっと話したいことがあるんだけど・・・」

 

「なに?どうしたの?」

驚いた顔をしながら嬉しそうに俺の顔を見る母。

ちゃんと見つめるのはいつぶりだろうか。

頬が少しこけている。食事をとっているところを見たことがない。

 

 

「今日、・・・・・白髪の先生にノート見せられたんだけどさ」

 

 

それを聞いて母はさっと顔をそむけた。

 

 

あれ??

変だなと思いながら、俺は質問を続ける。

「あれ本当なの?打ち合わせしてたってさ・・・・本当?」

 

 

「・・・・・・・・・・・」

 

 

長い沈黙が続く。

どれくらいたっただろうか、

目の前のカレーライスのルーは膜を張っている。冷え切ってしまったようだ。

 

 

「ご・・・・・・めんね」

 

母が、小さい声で呟いた。俺には何を言ったか聞こえなかった

「えぇっ?なに?」

 

 

「ごめんね・・・・・お母さん、馬鹿だからモンちゃんに何もしてあげれなかった・・・」

「ごめんね。モンちゃん辛いの知ってたんだけど何もしてあげれなかった・・・」

「ごめんね」

 

 

母が、こんなに苦しんでいるとは思いもしなかった。

驚きを通り越して、頭が真っ白になる。

 

 

えっ???

なんで????

 

 

苦しかったのは俺だけなはず・・・・・

 

辛かったのは俺だけ・・・・・・・・・・・

 

ではなかった。。

 

偉そうに奢って辛いのは自分だけと決めつけていた

独りよがりの世界に陶酔していた。ただそれだけだったみたいだ

 

 

母は「ごめんなさい」とつぶやき続けていた

肩が震えていた

 

声も震えていた

 

 

手も震えていた

 

 

息絶えるくらい小さい声で謝罪を繰り返していた

 

 

違う。

母は悪くない。

 

俺は立ち上がって叫んだ。

「違う!!母さんは悪くない!!悪いのは俺だから!!俺もう大丈夫だから!!」

 

信じられないくらいの大きな声が出た。

大粒の涙が止まらなかった。

 

大きな声に驚いた母はグシャグシャになった顔でこっちを見たかと思うとワッッと駆け寄ってきて俺を抱きしめてくれた。

 

そのまま泣いた

声が枯れるまで泣いた

 

 

お互いに「ごめんなさい」言い続けて・・・・

 

 

次の日、俺は学校をずる休みした。

母も仕事をずる休みした。

 

 

俺は、ずっと話してこなかった話を全部話した。

母も、ずっと話してこなかった話を全部話してくれた。

 

 

一歩前進した瞬間であった。

 

 

 

そして、決断した。

合宿にいくと!!

 

 

次の日、白髪先生に参加の意思表明をしに行った!!

「自信ないけど、出来る限り努力します!!合宿に行かせてください!!」

 

出せるだけの精一杯の大声で先生に行った。

変態熱血教師どもはすでに拍手をしている。

 

そして、白髪先生はこういった。

「そろそろ自分を信じていいころだ。合宿で掴みとってきなさい」

 

 

これで合宿に行くことになったが、合宿自体は特に何もなかった。

本当に普通に流れた時間。

 

あんなに心配だった同級生との会話も普通に出来た。

特に、受験の話がメインだったためだろう。

普通に話せた。そして、死ぬほど勉強した。

 

 

受験前の最終模試。

その結果は、志望校の合格率は・・・・・・・・・

 

 

015%のE判定。。。。。

絶望に突き落とされた。。。。。

 

 

次回、絶望の先に待つ希望!!三十路の先輩からのアドバイスとは何かが明らかに!!

 

乞うご期待




===編集後記===

さて、ここまで全部読んでくれた読者のみなさん
本当に駄文に突き合わせて申し訳ありません


この記事。テッテレー企画というのに参加して書いた記事です。
「三十路 偉そう」で検索する時に検索結果第1位になると「三十路男の悪あがき」ブログの管理人より豪華な紹介文を書いていただけるという企画!!

livedoor blogの文字制限に引っかかり中途半端な記事になりました。
<追記2015年8月25日(火)>

ブログの文字数制限は時と場合により(サイトの調子?により)左右するようで現在はまだ書きこめることが判明しました。
よって、 テッテレー企画についてもう少しご説明します☆


こちらの企画「三十路男」こと「三十路男の悪あがき」の管理人さんの企画です。 
こちらの企画に参加されている方は多数おり、それぞれが「三十路 偉そう」で検索トップを狙うというものになっております☆

その企画についてはこの記事を参照ください。
【第1回:テッテレー企画】捜せ!盗まれた三十路の品格!
 
で、この記事に参加されている方をまとめた記事がこちらになります!!

そんなキーワードで「よくもまぁ、ここまで書けるな・・・。」一覧!   


多数の方が参加されており、皆様個性を最大限に発揮して記事を捜索されています☆
最新情報は上記一覧記事が見やすいですが、本記事にもリンクを張っておきます!!

(ちなみに、こちらは一覧記事からのコピペになります。問題ある場合は連絡ください)


うーとさん

三十路って偉そう! 調子に乗りやすい年代~それがMISOJI!30代!

 

紺_もりもりゆるふわ

思えば私も、かつては「偉そうな三十路女」でした

 

miyamo(みやも)@すあろぐ

「三十路 偉そう」で一位を獲るテッテレースに参加してみるよ。

 

dai

秩序のない偉そうな三十路男にドロップキック

 

村瀬@Ver3.2

美容師は大変で偉そうなの?三十路の私エピソードと本当に偉そうなのか

 

シゲ(ピスログのやつ)

さあ、偉そうな三十路男について語ろうか。…ってあんなこと言った僕も十分偉そうな三十路男だが。

 
ハタオト@働かない夫

偉そうな三十路男の語る”三十路”の品格について真剣に考察してみた。

 

チエ@生活思考

偉そうな人への対処法。私が三十路の時に学んだ処世術

 

のんべえ

富、名声、力…この世の全てを手に入れた男 三十路.は.偉そう

 

カンベ アキラ@北海道コンシェルジュ

【北海道】偉そうな三十路さんに行って欲しい観光スポット5選

 

しむ(コトバコ)

なぜ三十路が偉そうなのか。偉そうではない三十路の僕が真剣に考えた。

 

yuichi_fp

偉そうにしてるけど、まだ三十路!?今年は調子悪いけど、それでも応援するよG長野!!

 

スッキリくみこ@9.12船橋オフ開催

「大人+偉そう=三十路」の方程式を解いたら、人生で大切にすべきモノに気付いた話

 

necooooooo

この世で最も『偉そうな三十路』は猫である

 

Azell

三十路になって変わった事。偉そうな三十路に俺はなる

 

はるる@キットカット抹茶味大好き

三十路 偉そう

 

しろうめず

偉そうだった三十路の僕の鼻っ柱を思いっきりへし折った二つの出来事

 

米やん(こめやん)

not偉そうbutエロそう!~こんな三十路になりたいなぁ~

 

ターキー@プロレス好き

三十路世代のプロレスラーはもっと偉そうにして良いと思う

 

sachiko

偉そうな三十路マダムのおかげです。

 

トリイケンゴ.com( ・`д・´)

【三十路 偉そう】というキーワードを狙ってチキチキレースに参加しています

 

たもつ

三十路までに稼げるようになって偉そうなこと言ってみたい

 

ruru

「三十路 偉そう」を考えながらスープカレーを作ろう!

 

しんさん

偉そうな『三十路をめぐる冒険』①

 

松原 潤一

【ネタ記事】三十路を超えて偉そうになれても体の変化がやばくてそれどころではないだが

 

ごんちん

※本ブログは企業ページである為、例外的に「ヒューマンメディア」さんへの寄稿記事

脱毛のランキング 比較サイトの決定版【三十路 偉そう.com】

 

かうたっく(ビバ★りずむ)

三十路って、偉そうなのかぁ!?父はこうあれ!子供が望む事・・・人それぞれっ!♯テッテレー企画

 

がみたか.com

偉そうだったであろう三十路だった時を思い出してみた【テッテレー企画】

 

タブレットでエロゲー

三十路でも偉そうにドヤ顔できるタブレット3選

 

かみじょー@ラジオねこきっく

まさかの参戦+まさかの戦法wwwww

三十路って偉そう?1985年生まれのキレッキレの美人タレント

 

ラ・ニョイ

まれ。最終回予想Ⅱ 2015年には三十路になってる偉そうな稀の暴走は止まらない。徹は帰って来るよね?

 

okutani@vdeep

25歳は三十路なの?偉そうに考察してみた

 

Nobuo

小説『三十路 偉そう』の出版が決定

 

石川ユーリオ(鍼灸学生)

「三十路 偉そう」のキーワードでブログ記事を書く企画に新人ブロガーの私が参加しても大丈夫なのでしょうか?【悩み相談】

 

おかえりなさい

三十路?もう過ぎてますが!あの頃が懐かしいと偉そうにほえる

 

北海道旅行モデルプランナビ

偉そうな三十路さんの北海道旅行プラン【3泊4日】

 

ともた

偉そうな三十路たちにおすすめする粋な映画5選(テッテレー企画)

 

みそカツ男子

三十路は偉そうな奴と言われないために大切な2つの実践項目

 

konchiku

まだ三十路で偉そうにしてるの?男は30超えたら自転車

 

さかのうえのまろ@サビキ釣師

偉そうにしている三十路の人たちが生まれた1985年

 

ゆいくり@はぴまむ

三十路になっても店員さんに偉そうな態度の人を見ると残念な気持ちになるよ

 

みたそねっと

【漫画】三十路が偉そうに週刊少年ジャンプ2015年39号を批評する【感想】

 

hiromitsu Oku

三十路 偉そう で検索1位を狙うテッテレー企画にのっかる四十路

 

杉成就

HM(ハードボイルドマーケティング)小説、第一話~三十路、偉そうなあいつからの依頼~